日本人の英語力を客観的にとらえる

日本人の英語力が低いということが昔から言われていますが、どちらかといえば、島国である日本では、日本語さえできれば困らないという地理的背景が大きく影響して、英語への取り組みという観点で他国よりも劣っているという印象があります。要するに、必要に迫られていないということになるわけです。そして、その印象が、そのまま日本人は英語力が低いという固定観念につながっている可能性もあるのではないかとも考えられます。

しかし、実は日本人の英語力を客観的にとらえたデータがあるのです。それが、かつてはTOEICと並んで重要視されていたTOEFLというテストです。TOEFLは、アメリカが開発した世界標準の英語能力を図るための統一テストであり、このテストを受検するのは日本人だけではなく、中国、韓国などをはじめとする主要なアジアの国々でも近年受験者数が増加しています。

では、このTOEFLというテストで、日本はだいたいどのくらいの順位に位置しているのでしょうか。

TOEFLにおける日本の順位

TOEFLは本来、世界標準における個人の英語能力を知るテストであるため、国別にその能力を比較するというのはあまり信憑性が高くないおそれがあります。何しろ、日本のような先進国ばかりが対象となっている順位ではありませんので、貧困層の英語力などはまったく反映されていない国があることを考慮に入れれば、正直な話、TOEFLだけで日本の英語力を云々できるものではないということを、まずは前提に置いておかなければならないといえるでしょう。

その前提で言えば、日本の英語力は、2006年の公開データによると、世界第25位ということになります。

さてみなさん。
みなさんはこの数字について、いったい何を思いますか?

日本より上位のアジアの国々

フィリピンが英語圏の国であるということはすでにお話してきましたが、アジア圏では、そのフィリピンでさえ第2位という成績でした。では、栄光の第1位に輝いたのはいったいどの国なのかというと、実は、先進工業技術とマーライオンで有名なシンガポールがフィリピンを上回っていたのです。

もうこの時点でいろいろ注文をつけたくもなるのですが、まずはかまわずその他のアジアの国々を見てみると、こちらも英語が公用語となっているパキスタンが第3位、そして中国と並ぶアジアの2大大国インドが第4位、そしてもしかしたらかのウィッキーさんの功績が大きいかもしれないスリランカが第5位と続きます。

ちなみに、おとなり韓国は第9位、そして中国は意外と低く、しかしそれでも日本よりは上位の13位にランクインしています。では他のアジアの国々にはいったいどんな国があったかというと、赤道が近い社会主義国ベトナムが第17位、さらにはカンボジアが第18位、そしていよいよ我らが日本が…と言いたいところですが、実は日本のひとつ上の第24位には、かの北朝鮮がランクインしているのです。ちなみに日本よりもひとつ下の第26位には、アフガニスタンがランクインしていたりします。

日本の英語レベルの低さの原因はTOEFLの成績!?

さあここでもう一度おききしますね。
さてみなさん。
みなさんは、この結果を受けて、どのように感じられるでしょうか?

アジア圏の中で、日本はアフガニスタン以上、北朝鮮以下という英語能力であることが、TOEFLの結果から判明してしまいました…
もしかしたら、中には愕然としてしまう人や絶望的な気分になってしまう人もいるかもしれませんね。

しかしご安心ください。これらTOEFLの成績は、日本だけでなく他の国も含め、国ごとの英語能力などまったく示していないというのが実際のところなのです。その理由については後ほど述べるとして、この数字、あるいは状況が、日本の英語レベルの低さを表現していると誤解している人を増やしていることは、おそらく間違いないのではないでしょうか。

何しろ、自ら世界標準を名乗っているTOEFLですから、その中にあってシンガポールやフィリピンやインドや中国韓国やベトナムカンボジアや北朝鮮よりも下の順位なのですから、それはあまりにもショッキングな数字であるととらえたとしても、正直仕方がない部分もあるでしょう

数字に表れにくい英語レベル

しかし先にも触れたとおり、ご紹介したTOEFLのデータでは、初等教育や中等教育を満足に受けることができない国民がたくさんいる国々のデータも、何の修正も加えずそのまま集計したものです。つまり、ここに現れているデータは、英語の英才教育を受けた人だけが受検している国もあるということを意味しています。

たとえば北朝鮮を例にとってみますと、このときのTOEFLのデータでは、受検者はわずか4000人少々です。それにくらべて日本は8万人足らずです。これは7万超のインドを上回り、12万超の韓国に次いで、第2位の受検者数になります。人口だけはやたらと多い中国なんて問題にならないくらい、日本の受検者数は多いのです。

つまり、これだけ受検者数にバラつきがあるデータからは、何の信憑性も得られないではないか…という考え方があったとしても、誰も否定できません。

見えてくる課題

しかし、だからといってこのデータを完全に無視してもよいというわけではまったくありません。事実、日本よりもはるかに受検者数が多い韓国は、日本よりもはるかに優れた成績を残しているではありませんか。

韓国は日本よりもずっと早く、初等教育で英語を取り入れるという努力をしてきた国です。そういった努力が、TOEFLというひとつの英語指標の方法では、はっきりと現れているということになるわけです。

何かとライバル関係にある日韓ですが、勝ったとか負けたとかではなく、これは素直に韓国の英語に立ち向かう姿勢をたたえ、日本は見習わなければならない部分であるといえるのではないでしょうか。

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